あらすじ
平凡な高校生の天賀谷和也と、その妹の天賀谷聖良。
かつてはからかわれるほど仲が良かった兄妹。
だが表面上は品行方正な完全無欠の生徒会長であるらしい聖良も、家では現実や兄に敵意を向け、ネット上でレスバをする始末。
和也もそんな妹を疎ましく感じるようになり、いつしか二人の間には溝が生まれてしまった。
ある日、チャラい友人の佐竹の口車に乗せられた和也は、彼女を作る努力をさせられてしまう。
努力は功を奏して彼女を手に入れることに成功する和也だったが、その彼女は軽い言動の目立つ浮ついた女。
とはいえ初めて出来た彼女に喜ぶ和也だったが、程なくして他の男と歩いている恋人の姿を目撃してしまっていた。
失意に暮れた和也は「現実の恋愛はクソ」と主張するようになってしまった。
だが、チャラい佐竹とも、そして軽薄な恋人とも切れたことを知った聖良。
「あげます」
「なにこれ」
「クッキー」
「……」
「焼いたんです。調理実習で」
「くれるのか」
「……ええ」
なくした時間を取り戻すように溝は埋まり始める。
妹から、──へと。