あらすじ
なぁに、簡単な任務だったさ……
弾丸飛び交う戦場を駆け抜け、囚われのお姫様を救う……そんなけったいな話じゃねぇ。
帝国主義時代の負の遺産に振り回されて、未だ大国同士の思惑が重なる内戦が続いた某国で、下手すりゃ三度目の世界大戦《ドンパチ》が始まるんじゃねぇかって、各国が冷や汗かく中、なんとか暫定政府と反政府組織《レジスタンス》の代表者による和平交渉がまとまった……そんな、朝飯食いながら見る新聞の国際面に載りそうな情勢《じだい》の話。
大した役割も果たさぬまま、激戦地から離れた安全区域で難民キャンプの連中と戯れていた国連の治安維持部隊もその任務を終え、そいつらの撤退《おひっこし》を支援するという、浪漫もドラマもないつまらん任務。
それが、あの日、国連直下の第54次治安維持部隊として派遣されていた日本統合軍特別派遣大隊第三補給小隊《オレたち》に預けられた最期の任務だった。