あらすじ
「テメェはクビだ、ルーカス」
世界樹ダンジョンの123階層で追放を宣言されたのは、“予言の巫女”によって選出された王国選抜PTの支援術師であるルーカス。
戦闘にはあまり参加せず、後方から適当にデバフやバフをかけて支援する程度。ついに追放を宣言され、ダンジョンに置き去りにされかけたルーカスだが、
「あっ、そう。んじゃ、頑張ってな?」
ツラツラ長々めんどくさいと、二つ返事で追放を了承する。他のメンバーたちはゲラゲラと笑うが、ルーカスは一度も振り返らなかった。
「これで俺は悪くない」
サポートはしてたのに追放されたという大義名分を得たルーカスはほくそ笑む。
楽して稼ぎたい。
ギャンブル沼にはまり、気がつけば借金「金貨1億枚」。借金返済の代わりに選抜PTに参加しただけの愛国精神など微塵もないめんどくさがり屋だった。
スキル【凪(カーム)】。
一見、戦闘力とは真逆に感じるスキルだが、その実、あらゆるものを“凪”に誘うスキル。魔法系の無効化、生き物の精神を数秒奪ったり、自分の周辺を状態異常無効化していたりと、物理でしか死ぬことはない強スキルの持ち主だったのだ。
(よし。地上に帰る!! あの娯楽にまみれた生活に俺は帰るぞ!!)
そんなルーカスだが、計算外が2つ。
「あれ? なにしてんの?」
「……ボクの仲間はルーカス君だけでした!」
後を追って来た元メンバー。
(なについて来てんの、このボクっ娘)
ルーカスの計算外は知らぬ間にいじめられてた雑用係のボクっ子に懐かれてしまっていたこと。
そして、強さを除けば自堕落な無能でしかない自覚もたりてなかった。
代理戦争である世界樹ダンジョン攻略には世界各国の選抜PTがいるということ、今立っているダンジョンは戦地であるということを。