あらすじ
ある日突然、世界中の人間が俺になった。
俺とは俺だ。もはや名前なんて意味はない。なぜならみんな俺だからだ。名前とは区別するためのものだろう? みーんな俺だ。呼ぶにしても『おい、お前』や『ねえ、そこの君』だ。でもそう言っている奴も言われている奴も俺なのだ。
女も子供も老人も全員俺。髪、顔、体。外見が俺と同じになったのだ。
理由はわからない。宇宙人か神様の仕業か、はたまた入浴剤を風呂に入れるようにように別次元の俺という成分がこの世界に零れ落ち、俺色に染まったのか。テレビの中で、そんなような説を宣い、頭を悩ませているどこかのお偉い学者様も俺。コメンテーターもアナウンサーも、俺、俺、俺。