あらすじ
【探索メイン、稀に戦闘有り】
※作中に登場する人物、地名は実在するものとほとんど関係ありません。安心してお読みください。
【やるべきことは二つ。
何より彼女のことを見守ること。あわよくば失った肉体を取り戻すこと】
意中の女の子に思いを伝えるという一世一代の大勝負の日、僕は死んだ。
それから二年が経過した同じ日に、彼女はあの時のまま、僕と約束した場所にやってくる。
肉体を失っても尚意識だけを残した僕の目に映るのは、大学受験を終えたばかりの、制服姿の彼女だった。
あの日と同じ寒空。静かに雪が降り積む神社の境内で、彼女は誰もいないそこに向かって一言
「バイバイ」と笑顔で言った。
彼女の趣味は至ってシンプル。小旅行だ。
ただし、年頃の女の子が好みそうな場所とは遠くかけ離れているように思う。
目的地は概ね廃墟。廃村。時々とても景色の美しい限界集落。
幼い頃から付き合いのある僕は、いつも彼女の知識、否、知識欲や探究心に驚かされてきた。
そして自ずと彼女が放つ知識の海に取り込まれた僕も、普段使いの難しい蘊蓄を豊富に取りそろえた。
特段、彼女はオカルトに関することに目がない。好んで風変わりな場所へ赴くのもどうやらそのためらしい。
意外かもしれないが、彼女は元々物静かな女の子だった。
それが今では一人でバイクを駆って各地を攻めるアクティブな女性になった。
僕が幽体となってからというもの、見ていて不安にならない日は少ない。
しかし僕は嬉しいのだ。
彼女が明るくなったことはもちろん、何の気兼ねもなく彼女のことを見守ることができるのだから。