あらすじ
第31回電撃小説大賞応募作
あらすじ※ネタバレあり
高校生の道間慎之介は周りに流されることなく冷静にこの世界を見つめている真面目な男だった。
そんな彼が、ある日クラスメイトの日陰璃里の奇行に遭遇してしまう。なんと彼女は人気のない夜の公園でハトの血を啜っていたのだ。
しかし道間は「そういう性癖の人間もいるだろう」と一切動揺することがなかった。
それは璃里が「自分は吸血鬼なの」という告白をしてきても同じことだった。なぜなら道間は少しふくよかな彼女の体形を見て「太った吸血鬼などいるはずがない」と考えていたからだ。
半ば無理やり連れてこられた璃里の部屋で、同居人である雪とも出会い、さらに彼女が雪女であることを璃里から聞かされても、道間はそれを信じることはなかった。それは雪の肌が小麦色に焼けていたためだった。日焼けした雪女など存在しないと道間は考える。
その時、謎の集団に襲撃され、三人はどこかへ拉致されてしまう。
目を覚ました道間は、謎の男から尋問を受けるが、彼はこれがドッキリと謎解きを組み合わせたテレビ番組だと確信する。
その後、璃里と雪を救出し、その間璃里の覚醒した吸血鬼の姿や、雪の能力を目の当たりにするが、そのたびに道間は目の前の不思議な現象がテレビ番組の演出だという結論を出していく。
璃里の最後の同居人である魔女のマリアとも合流し、謎の施設から脱出を計るが、出口寸前で組織の男女三人組に阻まれる。
白衣のリーダー的存在の男の号令により、男女が注射を打つとその身体が変化していき、男は狼男に、女はサキュバスに変身した。しかし道間はこれも特殊メイクだと考える。
一時はピンチに陥る道間たちだったが、自らの血を璃里に捧げ、完全覚醒した璃里があっという間に三人を蹴散らした。
無事家に帰った四人だったが、道間がネタバラシをするよう三人に問うても彼女たちは首を傾げるばかりだった。
日常に戻った道間は、やはり人生にはファンタジーなど存在しないと結論付けるのだった。