あらすじ
かつては自らの〈生〉の総てを支配していたはずの、今は喪われた摂理を覓めて……。
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「思い出のなかの姿というものは、一たび言葉によって定着されるや、消えてなくなるものでございます」と、ポーロは言った。「恐らく、ヴェネツィアを、もしもお話し申し上げますならば、一遍に失うことになるのを私は恐れているのでございましょう。それとも、他の都市《まち》のことを申し上げながら、私はすでに少しずつ、故国の都市《まち》を失っているのかもしれません」
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【イタロ・カルヴィーノ〔Italo Calvino〕著/米川良夫訳『見えない都市』〔Le citta invisibili〕(河出文庫、2003、初出は1977)より】