あらすじ
俺は屋上から飛び降りた。いつからか始まった、凄惨たるイジメの被害者だったから。
天国でゆっくり休もう。そう思って飛び降りたのだが──
俺は捨てられた赤子に転生した。そしてとあるお爺さんに拾われるのだった。
──数年後
自由に動けるようになった俺に対して、お爺さんは『指導』を行うようになる。
それは過酷で、辛くて、もしかしたらイジメられていた頃の方が楽だったかもと思ってしまうくらい。
だけど、俺は強くなりたかった。
イジメられて、それに負けて自殺した自分を変えたかった。だから死にたくなっても踏ん張った。
俺は次第に、拾ってくれたおじいさんのことを『師匠』と呼ぶようになり、厳しい指導に喰らいつけるようになっていく。
「このおいぼれに負けるようじゃあ、外の世界では生きてゆけんぞ?」
師匠は俺をボコした後、倒れている俺に向かっていつもそう言った。
この言葉ももう、何度聞いたか分からない。
──更に数年後
師匠は死んだ。
寿命だった。
結局俺は、師匠が生きているうちに、師匠に勝つことができなかった。
「このおいぼれに負けるようじゃあ、外の世界では生きてゆけんぞ?」
師匠は死ぬ直前にも、この言葉を吐いた。
しかし、最後に一言だけ付け加えて。
「──外の世界には、ワシより強い奴がうじゃうじゃいる。どれ、ワシが居なくなっても、お前はまだまだ強くなれるぞ」
──俺はその言葉を聞いて、外の世界へ出る決意を固めた。