あらすじ
都市化が進んだ東京の一角に緑の植物をまといひっそりとたたずむ喫茶店「クロマ」。店長と美しい毛並みの白い猫が迎えるこの店には、とある共通点を持った人しか訪れることができない。メニューのないこの店で彼が出すのは、客人からの要望かその日のおすすめだけ。口が回り、だれとでも分け隔てなく接するまるで詐欺師のような店長。
だが、人の心の色を見る「目」と洞察力、推理力は並大抵ではない。喫茶店を営む者のたしかな腕とその知識に愛情を持つ彼のもとには、多種多様な人生を抱えた客人が集まる。彼は飲物を自分の「目」を通してその人とその人が持つ過去を、まるですべてを知っているかのように解き明かし、一人一人の客人にまっすぐに向き合っていく。
これは‘‘人と人‘‘とをつなぐ不思議な物語。