あらすじ

その世界には生物学的な性としての「男」「女」のほかに、産まれながらに能力が優秀であるとされる「α」、人口が最も多く、能力は平均的であるとされる「β」、3ヶ月に1度発情期があり、番のいないαをフェロモンで誘惑してしまうがゆえに社会的に弱者であるとされる「Ω」という3つの性がある。  小学生のときに「Ω性」と診断を受けた藤丸紗世は絶望しつつも、その一方で、特別なαとΩの間でのみ発生するとされる「運命の番」……運命的な相手がいつか現れることを夢見ていた。  時は流れて紗世が高校生になったある日、学校へ登校してきた紗世は、校舎裏で殴り合いの喧嘩をしている複数名の男子生徒を見つけ、咄嗟に止めに入る。結局その喧嘩を勝ち抜いたのは、美しい容貌を持つがどこか厭世的な雰囲気を持つ、イギリスからの留学生オーウェン・エヴァンズであった。  紗世は瞬時にオーウェンが「α」であること、そして彼が紗世にとっての「運命の番」であることを本能的に悟る。又、オーウェンの方でも紗世を特別視したようだが、それに酷く驚き落胆し、喧嘩を仲裁しようとする紗世を冷たく拒絶する。  オーウェンはその後、紗世のクラスに留学してくるはずだったが、初日で問題を起こしたために停学になる。しかし停学が明けると持前の美貌でクラスメイトを魅了しあっという間に暮らすの中心的な人物となった。  一般の生徒には気安い態度を取るオーウェンだが、ただ一人紗世には冷たい態度を取るオーウェン。  しかし学校行事を経て紗世とオーウェンの心の距離は近づいていく。  だが、そんなある時オーウェンは紗世にこう尋ねた、「君は運命の番の存在を信じるか?」。紗世が信じると答えるより早くに彼は言った、「運命の番は存在する。何故なら俺にはもうすでに運命の番がいるから。運命の彼女がいるから、もう他には誰もいないんだ」。  それはオーウェンから紗世への拒絶であり、ほのかにオーウェンに恋心を寄せていた紗世は失恋してしまう。  失恋した紗世は当然悲しむが、同時に「運命の番」がいるというオーウェンがなぜ幸せそうではなく厭世的な態度をとっているのか、時々なぜ全てが投げやりなのか、彼の運命とは誰なのかを訝しむ。  そして、紗世はオーウェンの運命の番がすでに病死していることを知る。又、彼が運命の番とかつて交わした約束を守ろうとしていて、そのために苦しんでいることを知るのだった。

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カクヨム
カクヨム2024/03/29
  • 現在の作品きみは運命の人じゃない