あらすじ
あらすじ
ひとが突然砂になってしまう砂化ウイルスが蔓延した近代日本。生き残った人々は、国の方針により日本から海外へ移送されることになっていた。
ウイルスで母親と姉を失った春太はアメリカへ出立を拒み、半年前まで通っていた中学校へ向かう。
そこで花乃という不思議な少女に出会う。
花乃も春太と同じく、この場所でひとり死を待っていた。
誰もいない学校の教室で、少しずつ仲良くなっていく春太と花乃。ふたりはやり残したことリストを作り、叶えていくことに。
そこへ、自衛隊が現れる。春太は花乃とともに逃げることを決断する。ふたりは最後、テーマパークを目指した。
花乃は、近い将来起こりうる第三次世界大戦へ備えるため、国が秘密裏に生み出したウイルス兵器だった。
殺されると察し、研究機関から脱走した花乃は、毒素を打ち消す薬を飲んでいなかったためウイルスを生み出す力を失っていたが、繰り返し非人道的な実験をされてきた花乃の体は脆く、自らが生み出す毒素にすっかり侵されていたのだ。
真実を知った春太は動揺しながらも、海が見たいといった花乃を背負い、岬に行く。
しかし、春太たちはとうとう自衛隊に追い詰められてしまった。
花乃は最後の力をふりしぼり、春太をなだめるように優しく抱き締め、春太に最期の言葉を告げる。
「ありがとう」
そう言い残し、花乃は自ら海へ飛び降りた。
そうして、ふたりの逃避行は唐突に終わった。
それから十数年後。
ウイルスは絶滅し、国の整備も整った日本のとある海岸に住む少女は、海の入江で小さな瓶を見つける。
そこには、誰かから誰かへ向けられた、愛の言葉が綴られていた。瓶は毎日届く。
桃色のワンピースを着た少女は、その愛を大切に胸に抱え、果てのない海に想いを馳せるのだった。
※こちらの作品は、ノベマ!、エブリスタでも掲載しています。