あらすじ

都内の会社に勤める真面目な社員、浅野すみれは、同僚であり親友の深海莉奈に恋をしていた。ひとめぼれから約五年、実るはずのない片思いは、ある日突然終わりを告げる。莉奈と二人きり、仕事で向かった旅行先で突然抱きつかれるすみれ。混乱のうちに告げられたキスの誘いに抗えず、そのまま莉奈と唇を重ねてしまう。後悔するすみれだが、莉奈の態度はいつも通り。困惑しつつも莉奈と話し合おうとするが、言い合いの末に莉奈がいわゆる「パパ活」をしていることを知る。「もう私以外の人に触らせないで」ダメ元でそう懇願するすみれに、莉奈の返事は意外にもOK。誘われるがままに再びキスをし、二人の関係は同僚から親友、そして名もなきものへと変化していく。 お金に困っているわけでも身体を重ねたいわけでもないのに、なぜ莉奈はそんなことをするのか。そもそもどうしてすみれにキスをせがんだのか。すみれの疑問は莉奈自身、そしてすみれと莉奈の唯一の同期であり、莉奈の幼馴染の馬酔木裕から語られる。莉奈の過去、性暴力や痴漢の記憶が莉奈を歪ませてしまったのだと語る馬酔木は、苦しみながらもそばで彼女を支え続けることを決意していた。すみれの莉奈への恋慕に気づいた馬酔木は、莉奈を救ってほしいとひそかに願う。 一方で、莉奈のすみれに対する感情も変化し始めていた。キスのときにしか愛を伝えてくれないすみれに寂しさを感じ、自分はすみれからの愛そのものを欲しがるようになったのだと気づく。 そんなある日、酔った勢いで告白し、ようやく想いを伝える莉奈。すみれもそれを受け入れ、成就したかのように思えた二人の恋だったが、翌朝再び好きだと伝えた莉奈に対するすみれの返答はそっけないものだった。莉奈は傷つき、自分を抱きしめるすみれを反射的に拒絶してしまう。 離れる二人の心の距離。すみれは莉奈にもう一度告白することを決意し、彼女を家に呼び出す。今度こそ好きだと伝え合った二人は、無事に付き合うことになる。

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カクヨム
カクヨム2023/04/04
  • 現在の作品花に香るは恋心