あらすじ
小松茉莉花(こまつまりか)は、プロテスタント系のミッションスクールの女子高、常緑学院に通う高校二年生。崩壊気味の家庭に育ってはいるが、そのこと自体は素直に受け止めて、幼馴染で、似たような境遇で育った柴野優将(しばのゆうま)と助け合い、自分なりの日常を生きている。
茉莉花は、同じく幼なじみの中澤慧(なかざわけい)と結婚したいと思っているが、それが純粋な恋愛感情からきている願望かどうか、自分でも自信がないし、理想と現実との間には、結構困難な壁があることも分かっている。
降籏高良(ふるはたたから)は、プロテスタント系のミッションスクールの男子校、紫苑学院に通う高校二年生。成績優秀で面倒見もいいが、感情表現が乏しく、甘え下手。無邪気な幼馴染の日富絆(ひとみきずな)や、おっとりした中澤慧、不思議な存在である柴野優将らと、地味ながらも、そこそこ賑やかな学園生活を送っている。
六月、紫苑学院の学園祭で、茉莉花と高良は出会う。しかしその時、その場に一緒にいた水戸大空(みとたかひろ)の様子がおかしくなる。
そして、高良が、父親から渡された、座敷童伝承の書かれた和綴じの本を切っ掛けに、高良には、どうやら、『座敷童』らしきものが見えるようになってしまう。
その座敷童は、優将と茉莉花にそっくりなのだ。
この不思議な現象を解決するには、和綴じの本を読解し、自分達のルーツを紐解いていかねば、と思う高良だが、解読するうちに、和綴じの本の発見された地には、座敷童伝承は存在せず、記載されている伝承内容も、他所の座敷童伝承とは一線を画するものだということが分かる。
和綴じの本には、「家に入りたがる子どもの妖怪」の伝承が記載されているらしいのだが―。
果たして高良は、不思議な現象を解決する事が出来るのだろうか。