あらすじ
とある警察署。拘留中だった彼は今夜、保釈され、そして今まさに警察署の正面自動ドアを通ろうとしていた。
喪服を思わせるのは黒いネクタイに黒いスーツだけではなく、その重苦しい表情。他にも髭等、身だしなみを彼が完璧に整えたその理由は当然……。
よし、行くぞ……。まず四秒、いや五秒、頭を下げてそれから謝罪。で、また頭下げ、え――
「ん? あの、海老原さんどうしたんですか? 戻ってきて……」
「いや、あの、お巡りさん。あの、今日って伝わってますよね?」
「はい?」
「俺が今日、保釈されるってマスコミに伝わってますよね?」