あらすじ
9月10日
『現在、世界各国のあらゆる場所で…』
ピッ
『さあ、今日の星座占い!第一位は獅子座のあなた!』
僕はいつも見ている星座占いにチャンネルを変えた。
「ああ!お兄ちゃん!なんでチャンネルを変えたああ!」
「何でって。いつも見ているからに決まってるじゃないか」
と、当たり前のように答えた。
現在は夏、午前7時を過ぎたぐらいである。
一戸建ての二階で妹とニュースを見ている。
「私はニュースを見て情勢を学ばなくちゃいけない年頃なんだよ!」
「何を言ってるんだ。お前は」
僕は藤山葵、18歳、このよくわからないことを言っているのが妹の葵京(キキョウ)16歳。
「リモコンを返せ!」
そう声を上げながら飛びついてきた葵京を一歩左に行き華麗に避ける。
避けられた葵京はそのまま身を翻し左腕を伸ばして取ろうとしてきた。
その腕を右手で払いのけてそのまま足を引っ掛け葵京を転ばした。
「くそっ、何でいつもいつもこうなるんだ!」
「それが僕の日常だからかな」
「お兄ちゃんの日常はおかしいんだよ!」
「そう朝から大きい声を出すなよ。近所迷惑だろ」
毎日このようなじゃれあいがこの家では行われている。
決して仲が悪いとかではなく、ただの兄妹喧嘩であり微笑ましい日常である。
葵は星座占いをしっかりと見たので、学校に出かける準備をし、家を出た。
学校に向かう途中に長い上り坂がある。ここの道は季節ごとに色々な顔を見せてくれる有名な坂道、夕日裏坂と呼ばれている。
「藤山〜おはよう」
「おお、音守。おはよう」
毎朝この夕日裏坂で会うこいつは音守潤。
こいつは普段から色眼鏡をして、それなりに顔もいいからなぜかモテる。
「あれ、葵京ちゃんは、おらんの」
そして関西人なのかはわからないが関西弁である。
「兄妹だからっていつも一緒にいるとは限らないんだよ」
「ええ、残念。あんなかわええのにな〜」
そうありふれた会話をしながら夕日裏坂を登っていく。