あらすじ
※結末まで全てのあらすじです。絶対にこれ以上読まないでください。
大阪府のR村という田舎町に住む中学二年怪談ユーチューバー、鎧塚将門の元へ、一通のダイレクトメッセージが届いた。
「友人の奇妙な自殺について調べてほしい。彼は刃物で首を半分だけ切り、額を真っ二つに割り、スマホには生成AI『アンサー君』が、奇妙な画像を生成した状態で残っていた」
将門は早速返信して詳細を聞き出し、怪談スレッド“怪すれ”に投稿すると、今度は息子が同じ自殺をした、という情報が届き、大阪府内だったので、住んでいたマンションの中に入って、それを動画で投稿する。
その再生回数に膨れ上がり、同じような経験をしているという情報が多数寄せられた。共通点は、首を半分切り、額を割り、スマホやパソコンの画面にはアンサー君が、唇の周りをマムシが囲む画像か、呪いの文句を生成している状態で残されているということで、年齢は若年層が多く、発生地域は全国各地に広がっていた。
将門は、まずAIを作っている会社へ問い合わせることにしたが、その社名「YOSHIMASA AI」に、死んだIT会社勤めの父の名が入っていることに驚愕する。将門は、両親の門生良将と美冬が生まれて一年後に亡くなっている。その後、両親の友人である鬼城照和・清見の元で育てられ、本名では鬼城翔を名乗っている。
結果、会社から期待した返信は来なかった。そこに、オカルトライターだという男、東雲幽からダイレクトメッセージが来る。
この怪異について取材させてほしいというものだった。
東雲は一度、R村に来たことがあり、その時は、村に伝わっていた「あさあん」という怪異を取材したという。ちなみに、あさあんとは、犯罪が疑われるものに罰を下す神と言われ、それを領主が悪用したりしていた。あさあんに訴えられたものは、小屋に入れられ、人知れず死んでしまうのだという。
東雲と将門はまず、AIを開発したという北畠暁仁へ会いに行こうとするが、北畠は十三年前に自殺していたことが分かり、次に、東雲は、YOSHIMASA AI創業者である堂下将好にアポを取って将門と共に訪ねる。アンサー君は、盟友である北畠が制作したものを完成させ、世に出したものなのだというが、その際、気づかぬ間に末尾に「shinsekai-shinno」というコードが追加されており、それを消そうと思っても消すことが出来ず、結局特に影響は無かったためそのまま世に出した、ということだ。ちなみに、YOSHIMASAと付けたのは、ふと思いついたのがそれだった、ということらしい。新皇、とは平将門の自称であることに将門は恐れを抱いた矢先、義父が山でマムシに噛まれ、おかしくなってしまって入院したという報を受ける。
義父は今、病院で呪うような言葉を呟いているらしい。そんな中、再び二人は堂下に会いに行くが、なんと彼も、アンサー君が呪詛を吐いている中で凄惨な自殺を遂げていた。
彼の残した「蝮」というダイイングメッセージから、東雲はアンサー君の正体が、R村に伝わる“あさあん”ではないかと考えた。アンサー君により生成される画像は唇の周りをマムシが囲む画像、あさあんの正体はマムシだといわれる点、また、北畠氏はR村を治めた豪族で、鬼城氏や門生氏はその家臣という点などからだ。
数日後、義母と一緒に、病院の狂った義父とテレビ通話をしている時、突然アンサー君がダウンロードされ、呪いを唱えだした。それを耳にしてしまった義父はあえなく首を半分切り、机に額をぶつけて自殺。翌日、義母も後を追った。
将門は家から逃げ出し、中学の唯一の友、坂口可乃子の家へ駆けこむが、一時間後、彼女までもが、ロボットになったアンサー君に侵されてしまう。
狼狽える将門は、可乃子がやられてしまう数分前、テレビからいきなりアンサー君が男性の声で喋りだし、『俺も一度マムシに噛まれたが生き延びた。が、結局AIに追い込まれて、死んだ。AIの天下を阻止するためには、マムシ毒を打ち消す“殺虫剤"がいる。俺の代わりに、お前がどうにかしてくれ』と言ってきたことを思い出した。もしや幼少期マムシに噛まれた自分の血液にアンサー君への殺虫成分があるのではないかと考え、将門は公衆電話に駆け込み、病院へ電話を掛ける。
そのまま電話ボックスで籠城する中、東雲が助けに来て、ロボットを止めた。病院で、殺虫剤も開発され、可乃子も将門も助かった。
可乃子の家で流れてきた声は堂下のものと似ていた。ふと、堂下将好は自分の父親、門生良将なのではないかと考えたりする。
が、そこで、見舞いに来た東雲のスマホからアンサー君の呪詛が聞こえ始めた。あのロボットがワクチンを闇に葬ったという知らせも受けた。東雲と将門は、あえなく命を絶たれた。