あらすじ
とある旅人と、“迷いの森”に建つ高い塔の上に住む猫のお話。
御用で都へ向かう旅人は、森の手前で宿屋の主人から警告される――この先は“迷いの森”だから、迂回したほうがいい。
しかし好奇心旺盛な旅人は、主人とある約束をして森へ入る。そこにあるのはごくごく普通の森で、順調に歩んでいく旅人の前に高い塔が現れた。その塔には、天文学者の青年ライナルトとシルバーグレイの猫クリスティーネが住んでいた。
都路の休憩のつもりが旅人は天文学者と意気投合し、すっかり日が暮れてしまった。そのまま旅人は一夜の宿をもらう。
翌朝、天文学者と猫に見送られて、旅人は出発した。
都に着き御用を済ました旅人は、きた道を戻ろうとする。
再び森に入ろうとする旅人に、都の人はこんな噂を旅人にきかせる――あの森は、昔、政略結婚を嫌がった姫さまとその兄王子が隠れて住んでいる森で、森を荒らすと不幸が起こるから避けたほうがいい。
あの天文学者との再会を楽しみにしていた旅人は、そんな噂に気にかけることなく森に入っていくのだが……