あらすじ
猫好き大学生の小宮紡生(こみや つむき)には、二〇歳の愛猫「むぎ」がいる。
ある日、むぎの寿命を悟った紡生は、「猫との縁結び神社」として有名な「猫社(ねこしゃ)」を訪れる。
そこにいた白猫を追っていくと、近くの商店街の路地裏へと誘われた。
そこには「あわせ屋」とだけ書かれた看板があり、不思議に思いながらも店へと入っていく。
そこで出会ったのは「ミケ」と名乗る、三色頭のお洒落な男だった。
店へと招かれ足を踏み入れるが、突然、態度が一転。追い出されてしまう。
すると、まるでタイミングが分かっていたかのように、むぎの訃報を伝える電話がかかってきた。
あわせ屋とはなんなのか。ミケは何者なのか。なぜ、むぎの訃報が分かったのか。疑問を持った紡生は、数日後、再びあわせ屋を訪れ、尋ねる。
「オレは猫と話すことができる」
ミケはその力を使い、猫社の下請けをしているらしい。
疑う紡生はむぎについて聞くが、ミケの口から出てくるのは、家族しか知らないことばかりであった。
告げられる言葉は、むぎの言葉。むぎの想いを知り、涙する――。
そして紡生は、あわせ屋の一員になった。
あわせ屋には、日々様々な事情を持つ猫と飼い主たちの依頼が来る。紡生は仕事を通して、その絆を目の当たりにしていく。
これは猫と人の絆を描いた、ハートフルストーリーである。
※第10回角川文庫キャラクター小説大賞用の作品です。諸事情により一日三話更新します。