あらすじ

昼休みに全国チェーンのうどん屋でいなり寿司をたべていると隣の席から子供が話しかけてきた。 「あのもし、いなりをひとつくださいませんか?」 さては見てるうちに欲しくなったのかな。微笑ましく思ってひとつどうぞと皿ごとさしだしてやる。 「ありがとうございます。わたしは稲荷大明神の遣いのきつね。本日は姪の結婚式で外界に降ろしてもらったのですが、結婚式の食事というのは食べた気がしませんでね。」 最近の子供は妙な遊びを思いつくものだなと関心してそうですかと返すと恥ずかしそうに子供が続けた。 「とても美味しそうに見えたものですから…つい。そうだ。お礼と言うにはささやかですが、あなたに加護のまじないを授けましょうね」 ポンと手を打つと気が済んだようではふはふと自分のうどんを食べだす。 ありがとうというのも変な気がしてどうしたものかと思案していると、はじめからいなかったという体で隣の席はきれいさっぱり空っぽになっているのだった。

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小説を読もう2020/10/25
  • 現在の作品きつねの加護