あらすじ
雨の女神に祝福された聖女エレオノールは、婚約者であるレオンハルト王子から「辛気臭い女だ」と言いがかりをつけられて祖国を追放されてしまった。すべては異母妹カタリナの企てらしい。
聖女、そして公爵令嬢としての身分を捨て、国を出て西に向かう旅の道中で、エレオノールは野盗の襲撃に遭う。いよいよ死んでしまうのかと覚悟したとき、白馬に跨る精悍な青年に窮地を救われた。
「俺はロラン・フォン・ブロワ。一応は砂漠の国の王をやらせてもらっている」
「わたくしは……エル。ただのエルでございます」
青年の正体は、隣国の国王であるロランであった。
エレオノールがロランの下女として居場所を得る一方、祖国である緑の国は雨が降らず長い日照りに見舞われて――
これは祖国を追放され、己の名さえも捨てた聖女エレオノールが、幸せを掴むまでの物語である。