あらすじ

これは……おれがこの前、銭湯に行ったときの話だ。 湯船につかり、ふーっと一息をついたおれは、体から日頃の疲れが抜け出て行く感覚に頬を緩め、瞼を閉じ、宇宙のことを考えた。 特別な理由はない。ストレスが消え、心にぽっかりとスペースが空いたんで、何か壮大なことでも考えたくなったのだ。 しかし、ふと目を開けると、浮かび上がってきたのが陰毛だ。そう、陰毛。それは宇宙の始まり。無から作られる有機物。 いや、違う。陰毛とは思春期を迎えた辺りの男女の股間に生える毛のことを指す。そんなことは知ってるんだ。でもこいつは今突然現れたのではないかと思わせてくる。部屋の中で『え、こんな場所に?』と見つけたとき、そう冷蔵庫の中にあったときなど、なぜだ? と腕を組んで考えたものだ。時空の歪み、ぽっかりあいた穴から現れるスペースエイリアンか……いやいやいや、ない。こいつは人体から生まれ、そして抜け落ちたものだ。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2024/04/30
  • 現在の作品恐怖の陰毛