あらすじ
ある夜のこと。その青年は無意識に歩を速め、やがてそれは全力疾走へ移行した。息を荒げ向かう先、彼自身も信じがたい。まさか――
「ゆ、UFO……?」
そうとしか言いようがないその飛翔体が人けのない林の中へ降りて行くところを青年は目にし、そして今、木の陰からその姿をまじまじと見つめるのだった。
……しかし、どうしたのだろうか。UFOが突然、フッと姿を消したではないか。
いや、透明化。光学迷彩というやつだろうか。よくよく目を凝らせばそこにあることはわかる。そして、なにやら空間に穴があいたかと思えばそこから人が降りてきた。恐らくそこがUFOの扉だったのだろう。さらに目を凝らした青年は思わず声を上げそうになり、慌てて口を押さえる。
が、それは無意味だった。夢中になるあまり亀が首を伸ばすように青年は木の陰から身を乗り出していたのだから。