あらすじ
1月1日。新年早々に告げられた、世界にただひとり存在するスーパーヒーローであるウルトラフォース(本名・佐々木邑李)が死亡したというニュースは、世界中に深い衝撃を与えた。
彼はすべてを兼ね備えていた。トラックを指一本で持ち上げる力。戦闘機を悠々と超える飛行速度。銃弾どころか核ミサイルさえも一切通用しない肌。そしてなにより、決して折れない正義の心とすべてを包む優しさ。そんな彼の死を日本国民は悼んだ。
もちろん俺も例外ではない。彼が死んだというニュースを耳にした時は到底信じられなかったし、それが現実だと理解した時は茫然として降りるはずの駅を乗り過ごしてしまったし、もう21歳になったというのにかなり泣いたし、その日は夕飯を食えなかった。
それでも、日常は続いていく。まるで何事もなかったかのように朝と夜は繰り返される。
俺こと三谷永太一の物語は、ウルトラフォースが死んでしまったちょうど一週間後からはじまる。