あらすじ
あらすじ
ビールの一気飲み企画の末、急性アルコール中毒で亡くなった主人公は中世風の異世界へ飛んでしまう。ポケットの中に入っているのは銀貨三枚と死因となったビール瓶一本だけ。その他には何もなし。彼は夢破れた芸人だった前世を越えて、一流の大道芸人へと成り上がれるのか?
😄
[詳しいあらすじ]
それは偉大な帝国の話である。胡乱な講和条約からもたらされる巨万の富により、安定期を迎えたその国では正に道楽の花盛りであった。
そんな折、一介の大道芸人である主人公が途端に芸人の一大祭典に出場できたのは、時代を物語っていると言えるだろう。彼が城下で芸を披露していただけで、そうなれたのだから、それはもう筆舌に尽くしがたい好況である。
それは、正しく破格の待遇といえただろう。息の掛かった密偵となるのを宣誓させられた事、雇い主が大胆な絞首刑で知れ渡る秘密警察の長官であることを除けば…
勿論、彼は後悔していた。自身が数奇な運命に生まれ落ちた事、前世はしがないホームセンター店員兼売れない芸人であった事、その役回りはクラウンというよりピエロである事。いやがおうにも、それを直視せざるおえないという事を自覚すべき時だったのである。
兎角、世間は娯楽に飢えていたのだ。そして、安っぽいスリルと破滅願望に満ちた隠謀もその範疇に過ぎない。
彼の晴れ舞台の裏で渦巻く陰謀の大海。黄金期の陰に隠れた悲痛な歴史の数々。秘密警察じみた連中との綱渡り。その全てに彼は巻き込まれ、そしてもがく。道化師を逃避させてくれる者はいない。何故なら、笑わせる側だから。戯けた者にしか直視出来ないものがあるのだ。
[登場人物]
☺︎〈テリー・グレアム〉:本作の主人公。浅はかな夢を追い、落ちぶれてしまった過去を持つ。元ホームセンター店員、売れない芸人。手品が得意。冗句は苦手。
☺︎〈ハワード・ウェルズ〉:主人公が間借りしている『フライング・パイソン亭』の亭主。料理が上手い。山羊髭が特徴的。
☺︎〈レイ・ブラッド〉:パイソン亭の従業員を副業にしている歴史学者。その他にも家庭教師をしている。料理が上手い。
☺︎〈アラン・ディーヴァー〉:稀代の錬金術師。主人公と提携。
☺︎〈ヴラド・ルキーニ〉:憲兵隊長。本作の舞台となる帝国における最高法治機関の長。人間の屑。
☺︎〈グレース〉:憲兵。主人公のお目付け役。
☺︎〈ヨセフ・クローヴィス〉: 帝国の隣国における法治機関からの密偵。有り体に言えばスパイ。表向きは軽業師。