あらすじ
「カァー、リィー、オー、リィー」――「波ぁーっ!」
男子なら誰もが、一度は試したことがある技だろう。
彼の場合、その一度が大変なことになってしまった。
その日、一人の『勇者』がカレーになった――
人間族の希望であり、すべての魔人族を恐怖させた敵が、何者かにカレー塗れにされた。
成し遂げた魔族は未だ、その名も実在も知れぬままである。
本来ならば人間性を失う代わり、何度も復活できる存在である『勇者』だったが、
カレーの具材となったことで、その特異性が失われたようだ。
それから月日は流れ、次の魔王を決める『魔王選定の儀』が迫っていた。
妖精族や獣人族をも巻き込んだ、人間族と魔人族の戦争も終わり、
安寧の時代を生きる魔人族たちだったが、
この『選定の儀』の結果次第では「再び戦争が始まる」と予見されている。
すべての魔人族――いや、全世界が注目する中、現魔王が次の魔王となる者へ出した条件は一つ。
魔王学園を支配すること。
これにより、魔王十氏族並びに人間族や妖精族までもが動き出す。
時を同じくして、一人の少年が魔王学園の入学を目指し旅をしていた。
彼の名はカリオ・ヴァニタス・スタティム。地方貴族の魔人族である。
貴族の証である血統魔法が使えず、無能扱いされていた次男だが、
それは表向きの情報に過ぎない。
魔王とカレーが交差する時、異世界転生が始まる――!
🍛「第6回ドラゴンノベルス小説コンテスト中編部門『テーマ① 求道者』への応募作品です。