あらすじ

私の名は伊勢圭介。京都北山の山奥に居を構えるしがない古美術鑑定士である。

 とは言っても、積み重ねて来た知識と経験が物を言うこの世界で、私はまだまだ駆け出しの部類と言ってもいい。




 非情にゆっくりと更新予定です。

しかしである。

こと真贋の鑑定に関してはおそらくこの世界中何処を探しても私の右に出るものは居るまい。

何故なら、私には嘘が通じないちょっとした秘密があるのである。オカルトと笑われるかも知らないが、何を隠そう私は『物』に残された死者の残留思念を見る事が出来るのである……。

※この小説は、以前投稿していた小説『古美術鑑定士のオカルト事情』を一人称視点で読みやすくしたものです。



さて


夏の終わり。8月もあと残り数日という、ある暑い日のこと。

伊勢が住む山奥の古民家に向かって、一台の黒塗りの外車が登ってくる。極端に道幅が狭い為にその運転はいかにも危なっかしい。

車から降りてきたのは、伊勢にいつも仕事を依頼してくる古美術商の吉岡。ダンディな見た目とは裏腹にコテコテの関西弁を使うこの男。彼は伊勢の特殊な能力を知る数少ない人物の一人であった。

しかし、普段なら両手に抱え切れないほどの骨董を伊勢に持ち込む吉岡が手ぶらである。不審に思った伊勢はいぶかしげに吉岡の話を聞いて見れば、なんとその日の鑑定依頼は一人の若い女性だという。

そして、吉岡が私に引き合わせた女性は……

なんと、首にべっとりとついた手形の残留思念が、いままさに彼女の首を締めようとした姿でこびりついていたのだった。

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アルファポリス
アルファポリス2024/04/20
  • 現在の作品京都北山の古美術鑑定士〜オカルト関係の鑑定はお断りしております〜