あらすじ
反田隆は吸血鬼。夜を好んでいる。女性から性欲を上げる「愛欲」という能力を持っている。
それはフェロモンのようであり、異性にだけ効果がある。
この世に存在する吸血鬼は六人のみである。
魔導士はこの世の柱となる代わりに呪術を使えるし、柱とはこの世の生殺与奪を均等にするための、イエスからの縛りでもある。
魔導士であるキリシタは大のクリスチャンであり、遡ること数半世紀イエスの弟子でもあった。
この世は天命が基礎母体であり、生まれてくる子供は何かしらの”課題”を持っている。
吸血鬼になることも天命であるし、魔導士になることもまた天命である。
しかし、天命をそむく蛇巨頭(スネークヘッド)の存在が裏世界で話題になっていた。
蛇巨頭に対抗するために創設された『ヴァンプズ』という女性吸血鬼だけのグループ。
普段は地下アイドル活動をしていて、テレビやラジオ、そういった活動から派生したスポンサーなどで蛇巨頭を撲滅する資金源を補っている。
友利 楓の家系は蛇属の家柄で、蛇巨頭と人間のハイブリッドである。
そのことを知らず、反田隆は友利を眷属にしてしまう。
吸血鬼の血と蛇の血のミックスとなった友利の体は、人間を食らうH・I(ヒューマン・イーター)となってしまう。
反田は魔導士に友利を助ける方法を訊いた。
「そりゃあ、蛇の血も吸血鬼の血も人間からしたら「穢れ」だからな心臓に杭でも刺せりゃあ、まァ、助かる可能性もなきにしろあらずかもなァ」
教師である欅は反田によって眷属となったことで、吸血鬼の異常な身体能力を有しているが母体である反田に比べると劣る。
そこでヴァンプズに協力を要請した。
だがヴァンプズの面々、リーダーの赤坂陽菜、植松加奈、小林炉は厳しい面持ちをした。
「結局は自業自得ってわけでしょ。あんたが軽はずみにその子を眷属になんかしなければこんな面倒なことにはならなかったんだから。自分のケツは自分で拭きな」
「ちょっと陽菜ちゃん。女の子がケツなんて言っちゃあ駄目だよ」
植松加奈が慌てる。でも、と植松も真っ直ぐ反田の顔を見て言った。「けど、その通りだと私も思う」
パイプ椅子に座って仏頂面を湛えていた小林炉はこちらを見据えた。
「もし、お前に覚悟があるんだったら、私たちをお前の血の従属とさせてみろ」
反田は疑問符を抱く。「どういう意味だ?」
小林は鼻から息を吸って、
「いわば吸血鬼の血のミックスだ。それには私たちかお前かのどちらかが双方を眷属にしないといけない。……一応言っておくが私たちは眷属で困ってはいない。仮にもアイドルだからな。恋愛禁止なんだよ。そんな私たちを惚れさせてみろ」
と自信満々に言った。
そしてこんな緊急事態に、ヴァンプズの三人と三日間に分けてデートをすることになった。
だが、どんな恋愛手法を用いても見透かされて飽きられてしまう。「そんなもんなんだ」
悔しくて、ただただ情けなくて。そんなときに欅が現れる。
「ねえ。もしかしたら眷属を血の従属に出来るかもしれない」
そんな予想と淡い期待を抱いて魔導士の元へと訪れると、彼はそれは出来るといった。
しかし、それには欅がもしかしたら血の従属化に耐えられなくて死ぬ可能性も否めないということもある、といったことだった。
団地に戻ると欅は反田を抱きしめて、一夜を共にした。そして再び吸血を行い、欅の体内の血を循環させて血の従属にさせた。
それから、欅は一時的に心停止する。だがその数時間後蘇生し、紅蓮の髪を生やした吸血鬼となった。紅蓮の髪が、血の従属である証なのだろう。
そして友利のもとへと向かい、欅とともに戦闘を開始する。血の従属でしか用いれない紅蓮刃を使用して、友利に杭を刺した。その刃が吸血鬼の成分を吸収し、友利は蛇族の人間へと戻った。