あらすじ
大陸の一画に在りし国、天琳(テンレイ)。各地域恵まれた産業を発展させていた国であったが、とある年、悪夢のような大凶作が続いていた夏。北領の小さな邑で今年も冷害、これは山に慈悲を願って実りをいただくしかないが、タダでとは山ノ神が許すまい。ともすれば口減らしか。山ノ神に捧げる生贄を立てるか。額突きあわせて話しあった結果、邑が選んだ道は――生贄。
臍の緒を切ったばかり、乳もまだの赤子を使えばより一層の慈悲を願える。そうして、贄に選ばれた赤子はだがとんでもない方法で生き永らえたばかりか、異質な能力を「その者」に与えられていた。そして、邑に赴いた祈禱師の「助言」により、邑の人間たちは生き永らえた女の子、「静(ジン)」にさらなる過酷と残酷を強いた。
十七の歳、静はすっかり心を閉ざし、冷ややかに在り、諦めていた。……すべてを。そんな静の運命を変えたのは、一匹の狐。天狐を自称したその狐との出会いで変わっていく静の歩む道の先にあるのは類稀な運命の悪戯による数奇な出会いの数々だった。
狐の悪さで邑を追いだされた願ったり叶ったりの状況を楽しみながら旅を楽しむ静が新たに出会ったのはこの国、天琳を治める皇帝陛下と皇后陛下そして、皇帝が後宮に囲う妃たち。中でも偶然のような当然で静が助けた淑妃の下での寝泊まりがとんとん拍子に決まってしまい……?
淑妃の下ですごした数日ののち、皇帝の宮に招待された静と月。そこで出会ったのはとある夕、静の素顔を見た男でなんと、この天琳の国は皇太子だった。そこからまたも、静の運命は爆音を立てるような勢いで転がっていき、あれよあれよ、とー?
初の中華風な雰囲気であやかしというファンタジー要素を交えつつ、混ぜ混ぜしつつ執筆してみた今作、一応苦手ながら恋愛ジャンルを志します!