あらすじ
想像より生まれ出る脅威、〈|傀異《カイイ》〉――――――。
多様な情報が錯綜する現代日本。
喜び、悲しみ、怒り―――情報社会で人々の想像は多様化し、世間ではありとあらゆる感情が渦巻いている。
人間の想像は、不可視のエネルギー体〈|傀朧《カイロウ》〉を生む。傀朧は収束し、核として形を成し、傀異となって密かに人々の生活を脅かしていた。
傀異を人知れず祓うのは、傀朧を知覚し、操ることのできる〈|想術師《そうじゅつし》〉という存在だった。
想術師は長い歴史の中で組織を成し、影から人類を守って来た。
だが――――――傀朧が見える者は強制的に想術師というシステムに組み込まれることとなる。
〈想術師協会〉総務局で事務職として勤務する|杜若愛生《かきつばたあおい》は、生まれつき傀朧を知覚することができた。しかし、周囲からは受け入れられず、次第に自分の状況を異常視するようになる。そんな時、想術師協会から想術師にスカウトされる。
軟禁されるか、想術師として働くか。愛生に選択の余地はなかった。
それから二年、総務局で事務の仕事をする毎日。愛生は仕事がうまくできず、毎日上司に怒られる中で、将来の夢や希望を絶たれたショックから流されるような日々を送っていた。
自分の運命を呪うばかりで、逃げてきた自分―――そんな自分を責める毎日。
そんな日常は、突如下りた辞令によって大きく変わる。
愛生が配属されたのは、法政局〈想術犯罪対策課〉。
そこは、傀異ではなく、|人《・》を合法的に殺さなければならない部署だった――――――。