あらすじ
未来人・神代結愛には使命があった。それは大好きな想い人との約束。世界に恨まれる仇敵と仕立て上げられた彼を救うため、彼女はひとり過去の世界へと旅立った。
西暦二〇三〇年、国家戦略特区である宗閑島市、第十五区。居住区の一角。私立瑞花高等学校の二年生・一路咲人は、夏休みの最終日である夕方、空に駆けた流星を追いかけた終着点で、瀕死状態の少女との衝撃的な出会いを果たす。長い昏倒から目覚めた彼女は自らを神代結愛であると認め、右も左もわからない独り立ちを宣言したが、それを是としない咲人に説き伏せられ、記憶を取り戻すまでという条件付きの同居生活を始めることになった。
咲人が最も信頼する幼馴染の二人。雪平蓮大、皐月羚亜の協力を得て、未知の存在である神代結愛の処遇と方針を定めたことにより、目まぐるしい日常にも一段落がつくと思われた最中、咲人に異変が生じていた。相次ぐ頭痛をトリガーとするそれは、現実かと見紛う没入感を以てして、精神を蝕む悪夢となり発現する。
気丈に振る舞う咲人だったが、三白眼の大男に神代が殺されるという悪夢に身を侵された――その日のスーパーからの帰り道、花紫(カシ)と名乗る大男に突如襲撃された。命からがら逃げ惑う中で立てた綿密な作戦を基に、一度はカシを無力化したと思われたが、卒然と復活したカシに咲人は死を覚悟する。神代が倒された絶体絶命の状況から、咲人は自らに湧き出た謎の力によって、死闘の果てにカシの撃退に成功した。
一週間の入院生活を経て懐かしい日常へと戻ってきた咲人は、取り戻したかけがえのない日常を謳歌する。羚亜に急かされるように家を出た久しぶりの登校。当たり前であるはずの日常に、万感の思いで向き合うと決意を新たにした咲人を待ち受けていたのは、やはりそんな平穏を認めないと笑う、新入生の神代結愛の存在だった。