あらすじ

――この世は苦しみに満ちている。 ――生まれてくると、人は必ず苦しみを味わう。 ――なにより僕は、この場所に産み落とされた悪意だった。 惰性で見ていたテレビを消すように。疲れたマグロが泳ぐのをやめるように。仲間外れにされた少年が一人で先に家に帰るように。僕は生きることをやめることにした。 生きる希望も目的も理由も動機も、僕には決定的に足りていなかったのだと思う。 僕とこの世界を繋ぐものはもう何もありはしなくて、どうせ繰り返しの毎日ならショートカットしても構わないだろう。 これ以上生き恥をさらさぬうちに。これ以上償うことのできない罪を重ねずに済むように、僕は死ぬことにした。 どこか人とずれたところのある少年、椎名光は、大好きだった姉を交通事故で失くす。 姉のいなくなった世界で光は、悲しみを怒りに代えることも、 喪失を憎しみで埋めることもできないまま、黒い春を生きる。 それから、とあるひとりの女性と出会い……

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小説を読もう2020/10/09
  • 現在の作品モノクローム・スプリング・スーサイド ―最愛の人を失った僕は、異世界に行くことも、幸せになることもできないまま、灰色の青春を送る―