あらすじ
ある日、荒波に揉まれたどり着いた見知らぬ遠くの島の浜辺に打ち上げられた時に吉蔵が手渡された一通の手紙。意識が朦朧となっていた彼にもはっきりと読み取ることのできたその手紙は紛れもなく封筒に書かれた宛先の文字から読み取れたのは幼き子からのものだった。封筒に押された消印はなんと2050年、生まれ故郷の地元の郵便局で押されたものだった。まさしくそれは投函された一通の手紙は未来の未だ見ぬ子供からの手紙に間違いなかった。
書かれていた内容は、今生きている私たちへの感謝を込めた言葉ばかりが記されていた。また不思議なほどの克明に遊んでいる情景が書かれており、しかしそれはまた、私たちにとっては残酷なほどに厳しい現実と向き合い、とてつもない勇気ある決断を迫られていることを暗示するものであった。
今こそ、私たちはその感謝の想いを真摯に受け止め、行動に移してくださいと悲痛な悲鳴にも近い嘆きにも聞こえてきた。私たちが何気なく暮らしているこの便利な日常が、どれほどの深刻な現象を引き起こしているのか、強く考えさせられるものであった。
地球は今も刻一刻と大気中の温室効果ガスの濃度は高まるばかりであり、年間平均気温は上昇を続けている。このまま平均気温が上昇を続けると、地球上に生存している3/4以上の生物は絶滅の危機に晒されると言われている。ましてその前に食糧危機により各地で紛争が勃発する可能性が差し迫っている。
私たち今を生きる人間は、もはや戦争などやっている暇はなく、直ちに未来の子供たちにこの地球を素晴らしいものとして、また輝く未来を描ける社会を残してあげるための手立てを今すぐにとらねばならない。
感謝という言葉の裏に決めた大いなる現代社会への警鐘であり、生きる責務なのかもしれない。そして未来の子から送られた感謝の真の意味を現代社会を生きている私たちに、もう一度原点に立ち返って考えるきっかけを与えてくれたのだった。
小さな島のある男の小さな想いと生きざまを通して、それを改めて深く、真摯の考えさせてくれる物語である。