あらすじ
片瀬 真。30歳。
自分でも言いたくなるほど容姿も背丈も平凡などこにでもごく普通のサラリーマンだ。
生い立ちも一般的な家庭で育ち、特に何かに秀でることも無く大人になった。
しかし、そんな凡庸な自分でも他人とは大きく異なる点がある。
それは、妻がとても美人ということだ。
誰もが振り返ってしまう程、人並み外れた整った顔立ち。
白磁を連想させる白い肌。腰まで伸ばした黒髪は黒曜石のように透き通った光を放ち、大きく形の良い黒目は吸い込まれるほど綺麗なアーモンドアイであり、モデルも顔負けのスタイルは究極の美を体現していた。
完成された美しさは妖精のようで、とても同じ人間だとは思えない程だ。
そんな彼女とは大学にて知り合い、5年の交際を経て卒業後に結婚した時、自分は夢の中にいるのではないかと思った。
もうこれからどんな不幸が自身に降りかかってきても仕方ないとさえ、思えた。
それから幾年もの年月を経て、今では3人の子宝に恵まれ順風満帆に穏やかに暮らしている。
冴えない自分には不釣り合いと言えるほど綺麗で素晴らしい女性である妻と結婚できただけでも分相応だったが、愛すべき我が子も出来たのだ。
今が間違いなく幸せの最中であることは疑いようもない、はずだった…。
妻が浮気しているのかもしれない。
そんな疑惑さえ起きなければ。