あらすじ
イリーニア王国には、栄華をもたらす大妖精ティタニアの伝承がある。
前王ベレルに仕えていたティタニアの力を持つテグは国の情勢悪化を理由に蔑まれ、冷遇を受け西の小屋に閉じ込められていた。
劣悪な環境からテグを連れ出した新国王カルドの側近レイナードは、会ったこともないカルドに想いを寄せるテグに、戴冠式後の舞踏会でダンスをさせてやろうと企てる。自身の妻であるアイラにダンスのレクチャーを頼み、テグのために煌びやかなドレスを手配したが、舞踏会の当日になってその可憐な少女かと思われた妖精がなんと男子であったことを知る-
※R18相当の描写は省略または改変しています。
以下は【第25回ルビー小説大賞様】向けのあらすじです。(結末までを記載)
【あらすじ】
テグの胸元には花が咲いている。その姿からイリーニア王国の栄華の象徴「大妖精ティタニア」であるとされていた。
テグは国の情勢悪化を理由にベレル王から冷遇を受け、閉じ込められてしまっていたが、ベレルの異母弟である赤髪のカルドがベレルを追いやり新国王として新たに即位することとなり、カルドの側近であるレイナードの手によって劣悪な環境から救い出される。
レイナードは会ったこともないカルドに想いを寄せるテグに、戴冠式後の舞踏会でダンスをさせてやろうとドレスを手配したが、舞踏会の当日になって、その可憐な妖精がなんと男子であったことを知る。
男子では王と踊るのは難しいと、レイナードに告げられたテグであったが、舞踏会でカルドがダンスの相手に指名したのはなんとテグであった。戸惑いつつもカルドの手を取ったテグは興奮のあまり、胸に咲いている花から花弁が溢れ出してしまう。そのことが人々にティタニアの存在を知らしめることとなった。
カルド王はもともと男色家であり、女性を愛することはできない。そんな彼は、純粋な思いを自分に寄せる無垢な妖精テグに次第に思いを寄せるようになっていく。
しかし彼は国王であり、世継ぎを残さなければならない定めだ。そんな折に現れたのは、隣国ロステラの王妃イヴである。長く停戦状態だったロステラとの和平のために、カルドに婚姻を持ちかけるイヴ。初めはイヴに冷たい態度を取り続けていたカルドであったが、テグからの提案もありイヴとの婚姻を承諾する。
しかし、それに怒ったのがイリーニア王国の北の民だ。ティタニアを信仰する彼らは王室がイヴとの婚姻の代わりにティタニアをロステラに引き渡すつもりだとの噂を信じ挙兵する。
しかしそれは、ロステラに逃れていた前王ベレルの陰謀によるもので、北の鎮圧で手薄になった王都にロステラ兵が攻め入った。
急ぎ城に戻ったカルドは捕えられたテグを逃がそうとするが、ベレルによって重傷を負わされてしまい、そこでカルドを守ろうとテグの力が暴発し、城は大樹に囲まれてしまう。
瀕死のカルドを前に、彼を救いたければ共に来いとベレルに告げられ、テグはそれを受け入れようとする。しかし、ベレルの元へと行こうとするテグをカルドは抱き寄せその胸に咲いた花を引きちぎる。すると、囲んでいた大樹が次々と枯れて、ついにはベレルやカルドとテグを残したまま城は崩壊してしまう。
その後、隣国ナディアや誤解の解けた北の民族らと共闘し、イリーニア軍はロステラ軍に勝利した。しかし、国王カルドと象徴であるティタニアを失い、人々は悲しみに暮れていた。そんな彼らを奮い立たせたのは新国王として即位したカルドのもう一人の異母兄カミルである。そして、イリーニアは徐々に落ち着きを取り戻していった。
そしてロステラ侵略から数ヶ月、北東ののどかな田舎町には、国というしがらみにとらわれず穏やかに暮らす、妖精と赤髪の青年の姿があった。