あらすじ
「エミリア、君だけを愛しているよ」
「ああ、アルファス様。私だって」
そして瞳を見つめ合わせた二人は、月夜に照らされて強く抱き合うのだった。
人目も憚らずバラ園の下で、強く深く。
「何を見せられているの、私は。あの二人露出好きなのかしら?」
領地から王都の邸へ1日早く帰ってみれば、夫と見知らぬ女が自慢のバラ園の東屋で盛っていた。
東屋の周囲は外側から見えないように、薔薇の茎が幾十にも絡んで人の背より高い壁となっている。
外からは見えないが、中にいる者からは丸見えである。
側にいる使用人達は、それを止めることなく覗いている。
「取りあえず、あそこにいる奴ら全員クビで良いわね」
そう呟けば、私の傍らにいた従者のマークスが闇に消えた。
「御意」と一言返事を残して。
翌日から夫のアルファスの姿が見えない。
その為、私は捜索願いを騎士団に出すことにした。