あらすじ
四年前のこと、この地にて稀に見る大寒波が襲い、広範囲に及ぶ甚大なる被害を生活環境に与えた。ある者は慣れぬ天災に怯えて外出せず、ある者は離れた家族や友人または恋人の安否を心配し連絡をとり合っただろう。自分たちの平穏無事な生活が再び取り戻されると信じて――
しかし、視覚を閉ざし、聴覚を無力化し、活動能力から生命力、そして倫理的な判断能力すら奪う、この猛吹雪を悪行に利用する者たちも少なからずいた。否、狂わされた、または本質を暴かれたと言っても差し支えない。
誰にも知られず成功した者は、悪事を暴かれぬよう息をひそめたまま、再びの機会を待つ。
その者は今、四年前と同じかそれ以上となる大寒波を前に緻密なる計画を企てていた。欲望と妄信的な自らの考え方を疑いもせず、他人の人生を奪うために、粛々と。
これは、迫りくるそんな脅威を微塵も知らず、混濁する嵐の二日間を過ごした善良市民の危急存亡も定かではない物語。
結末はいかに