あらすじ
「あっ、おばあちゃん」
「あら」
電車に乗って隣町に来た彼。ふらりと立ち寄った食品雑貨屋で祖母と出会う。祖母はこの町から電車で駅四つ離れた町で暮らしている。多分、買い物に来たんだろうと彼は思う。が……
「あら、誰かしら」
「いや、孫だよ孫」
眉を顰める祖母に対し、彼は少々不安を感じる。
「知らないわぁ。知らない! 孫じゃなーい! でーす!」
「いや、孫だよ。あ、孫です! 孫なんです!」
店内で大声で孫じゃないと連呼する祖母に対し、彼は周りに弁明するようにそう声を張り上げる。
が、周りの様子はやや同情的か。そのことがむしろ彼の不安感を高めている。
店の者に迷惑がられているのは明白なので彼は祖母の手を引き、一先ず店を出て、歩幅を合わせ一緒に歩く。