あらすじ

まず光を失った。 そして時間を見失い、床はない。 動きを封じられ、安全も情報もなかった。 日常生活や生命活動を維持するために必要な命綱。 生命線を意味する「ライフライン」も全て失った。 「ライフライン」は1995年のこの時に産まれた言葉だ。 大震災による惨状が失わせたモノが、この概念を産み出した。 まず生死を分けたのは空気の有無。 阪神淡路大震災の死因で最も多く占めたものは圧迫による窒息死。 その命綱である空気ですら、後に生命を脅かしていく存在となった。 程なく、空気による5つの攻撃が容赦なく被災地を襲っていた。 日常では何気ない自然のちょっとした機嫌次第で人間は簡単に翻弄される。 死を免れたとしても、その場にいれば「いつ死んでもおかしくない」。 被災者とは「死と隣り合わせの場で生き残これた者」とほぼ同義だ。 場は時間経過に従って悪くなる一方。 死人や傷病者や瓦礫は容赦なく増え続けていく。 生き残りをかけたサバイバルが始まる。 ---- 1995年1月17日 5時46分。 阪神淡路大震災の発生。 地震名は兵庫県南部地震。 その地震を原因とした一連の災害の総称は幾度となく変わった。 あと1年もすれば30年の節目を迎える。 2024年の奇しくも正月。 能登半島で震度7が観測される大震災が発生した。 2011年の東日本大震災の頃より更にSNSが一般に広く浸透した。 震災とセットで飛び交う情報が、流言飛語か否かの判断材料になれば幸い。 実体験からの情報に触れる機会が一つでも多くなることを願い、ここに記す。 時代も場所も違えど、共通点は多い。 同じ正月に起こった1995年の大震災では、どういう状況に陥ったか。 日常と非日常を比較して、覚えている限り残しておこうと思う。 まずは今年で29年目となる震災祈念日によせて。

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小説を読もう2024/01/17
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