あらすじ
イブ・ロシュフォール侯爵令嬢、すなわち私は、幼少期の頃からクロード・シャントゥール王太子殿下に恋心を抱いてきた。
初めて訪れた舞踏会で、人見知りの私の手を引いて踊ってくれたその時からである。
常に冷静で落ち着いていて、次第に品行方正、容姿端麗、文武両道といった言葉の似合う、非の打ち所のない殿方へと成長していったクロード殿下。
恋する令嬢は後を絶たず、私も殿下と幸せになる夢を見続ける日々を送っていた。
そんなある日、
「フィリップ公爵家のご子息と結婚しなさい」
家の事業の繋がりをより深める為の政略結婚の話が私に舞い込んでくる。
強制的に婚約が進められ、陰鬱とした気持ちで参加した次の舞踏会。
「イブ。一緒に踊ろう」
ダンスに誘ってくれるクロード殿下への恋心を諦めるため、婚約者が出来たので踊れない事を伝えると、
「ち、ちょっと待ってくれ。気絶しそうだ。これは現実なのか?」
「そんな婚約は破棄して僕の妃になってくれ!!」
そこには冷静の『れ』の字もない殿下の姿があった。