あらすじ
小説家志望のアマチュア作家、紺野朱美は東京のあるカフェで途方に暮れていた。仕事を辞めてまでして打ち込んだ作品は、持ち込み先の編集者にダメ出しを食らってしまった。東京で執筆を続けたい。だが貯めた資金もそんなにない――地元に帰るしかないのかと頭を抱えていた。
その隣にはもう一人、頭を抱える若い男、浅葱智哉がいた。不清潔な身なりをしており、一見するだけでオタクと分かる彼は、マッチングアプリで出会った人に即フラれたのだという。
世田谷区にある一軒家に住んでいながら一人暮らしをしているという浅葱に、紺野はある提案をした。
「私があんたをいい男に仕立ててあげるから、代わりに私をあんたの家に住ませて。あんたに彼女ができるまで」
かくして、永遠に落選する作家と、キモオタの奇妙で虚無な共同生活がはじまったのである。