あらすじ
『おまえ、脳みそ未発達か?』
『ほら、叩くと軽い音がするぞぉ。みんな聞こえるかー?』
『もしもーし! おまえの存在自体にクレームがあるんですけどぉー! どこで受け付けてるんですかー?』
『猿。猿猿猿猿猿ぅ!』
『お願い。単純に聞かせて? どうしてそんなに仕事ができないの?』
『飴やるよ。ほら、飴と鞭ってやつだ。ほら、食えよ。今だよ今。……てめぇ、仕事中に飴舐めてんじゃねーよ! 飴だけに仕事舐めてますってか! おら、拾えよ。今吐きだしたやつ拾えってんだよぉ!』
『お前の代わりなんざいくらでもいるんだよぉ』
『死んでも問題ないよ。死ねよ。はい、死刑。死刑死刑死刑ぃ!』
『まーたコモリくんが篭っちゃうよ』
『ふふっ』
彼はそのドアを閉めたあと、壁に額を擦りつけ、ふぐぅと声を漏らした。頭の中で反芻されるは、先程の、そしてこれまで受けた課長からの叱責の数々。
『まーたコモリくんが――』
それに紛れたこれはオフィスから早足で出る際、同僚がボソッと言った(恐らく彼に聞こえるように)一言。それに笑い声。
コモリくん。そのあだ名の由来通り、彼が今いるのは会社の物置部屋。およそ二畳分の小さな部屋である。