あらすじ

児童養護施設出の俺(高木尚人、19)は札幌のファミレスでアルバイト生活をしていた。雪の朝、女(上原絵莉、39)が訪ねてくる。彼女は俺に伝えた。富豪の母方の祖母がおり、俺に会うことを願っている、と。彼女から贈られた魔法の仮面を被り、東京の祖母のもとに向かう。祖母は俺に母の遺骨があるという石塔を捜し出すことを命じた。祖母の養子(寺島尚人)となり、父母や寺島家の謎を解くために、絵莉と共に北海道の地を駆け巡る。そして、絵莉はぼくにとってかけがいのない存在になっていく。 祖父の書斎で驚愕な事実を知る。終戦後大陸からの帰路、祖父は三つの願いが叶うという仮面と杖を手に入れたこと。第一の願いが叶い、祖父は巨万の富を得たこと。しかし同時に多くの犠牲者を生み、その悪霊たちに命を狙われるようになったこと。その巻き添えになって、三年前、絵莉は命を失ったこと。悪霊たちの謎を解きその心を鎮めるため、祖父は自分の余生三年と引き換えに、第二の願いを使った。タイムリミット三年間の絵莉の命を復活させたのだ。絵莉救うには杖を突き第三の願いを叶えることしか、ぼくには残されていなかった。 第三の願いを叶える呪文とは真実の愛に仮面を浸らせることであった。そして願いが叶うと、仮面は粉々に砕け散り。仮面を被って得たすべてのものを失う、と。犠牲者たちの遺体を発見する。そして失踪していた父の遺体も発掘される。父のペンダントをヒントに、石塔に辿り着く。石塔の中には、鉄の杖と母の遺骨があった。絵莉の死のタイムリミットが目前に近づく。ぼくは絵莉を思い、涙が止まらなくなる。仮面が涙で満たされ、粉々に砕け散る。札幌のアパートで目覚めた。ドアを叩く音がする。ドアを開けると若い女が立っていた。その女は俺に言った。「わたし絵莉、エリって呼んで、よろしくね」

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カクヨム
カクヨム2021/02/18
  • 現在の作品硝子の仮面と鉄の杖