あらすじ
「……う、あ、うぅ……ここは……天国……だよな?」
「はい、その通りでございます」
「うおお! ……ああ、失礼。人がいないと思って独り言を言ったものだから、ははっ、大げさに驚いてしまい、ははははは……それで、あなたはまさか……」
「ええ、天使でございます。あなたの担当であります、シライと申します」
「シライ……白井。ああ、その顔と名前、昔どこかで会ったような……それも……そうだ、私が好きだったあの子に」
「そう見えるようになっているのです。親しみを持ってもらいリラックス。お話をスムーズに聞いていただくために」
「そう、か……しかし、ああ、死んだのか……だが、天国がこんなに美しいところとは。死んで良かったとまではまだ言えないが、現世を惜しむ気持ちが失せていくようだよ」
「ふふふっ、そう言っていただけて何よりです。さ、ご案内しますよ。ええと予定の寿命よりもお早い御着きに加え、今ですと――」
――いちゃん
「あ、あれ、声が」
――おじいちゃん
「あの、シライさん、あなたの声が聴こえなくて、それにこの声は」