あらすじ
女子高を抜け出し足繁く通うのは市営の図書館。そこにはゴシック&ロリータがいた。
彼女がどうやら『ガチ』な小説家先生だと知ったのはしばらく経ってからだ。ここの司書が色紙にサインを貰って卒倒しそうになっている姿を目撃したからだ。
まるで新興宗教の教祖と信者のようだと当時はほくそ笑んだが今ならわかる。
背がちっちゃくて中学生にしかみえない華奢な躰。色白で長い睫に柔らかそうな唇。
ゴスロリがとても似合うのはもちろんだが、それ以上に彼女が発する言葉はたまらなく魅力的だった。
学校での憂鬱。
母との確執。
私の乾いた心が彼女との交流で潤いを取り戻す。
怠惰で薄暗い日々を鮮やかに彩る。まるで不思議な幻想文学に誘われるように私の心は虜になっていく。
彼女のことをもっと知りたいと思い始めた矢先に突きつけられた──しかし残酷な現実に、私は子供のように泣きじゃくり、世界を呪った。
ゴスロリ先生は悲嘆に暮れる私へ万年筆とともに魔法の言葉をくれた。
流れていく青春の一瞬を切り取った、これはとある少女が体験した不思議で優しい物語。