あらすじ
絞首刑。それは刑場の隣の部屋。刑務官が三人横並びになり、壁に取り付けられた三つのボタンを同時に押すことにより、刑が執行される。
そう、三つ。そのうちの二つはダミーである。本物のボタン。その一つが押されることにより、踏板が外れ……。
と、ダミーが必要な理由。それはボタンを押す刑務官の心の負担を減らすためにある。しかし、人ひとりの命を結果、奪うという行為に対し、どの程度効果があるのか。
押したくない。そう思うことは仕方がないのである。
「……時間だ。三、二、一、零で押すぞ。いいな?」
「はい」
「はい」
「三、二、一……いや、ちょっと待て。お前、それなんだ?」