あらすじ
「きゃ、きゃああああああああ!」
「ほ、ほうちょう! 包丁男!」
「包丁だ! 包丁男がいるぞ!」
とある午後の電車、その車内。飛び交う悲鳴に押し合いへし合い、逃げ惑う人々。
しかし、電車は走行中である。どこへ逃げようというのか。それでもそうする他ないのだから仕方がない。
と、その中、流れとは逆方向へ。つまり騒ぎの中心、包丁を持った男の前に出る者がいた。
それも四人。いずれも男。小太り、レゲエ風、スーツを着た男が二人、うち片方は眼鏡。彼らのその行動を英雄願望などと揶揄するべきではない。そしてそう、たとえどうなろうとも己の身を顧みず、他者のために危険に立ち向かうその姿は英雄に違いないのだ。