あらすじ
あるところに、春・夏・秋・冬、それぞれの季節を司る女王様がおりました。女王様たちは決められた期間、交替で塔に住むことになっています。そうすることで、その国にその女王様の季節が訪れるのです。
しかしある時、冬の女王様がいつまでたっても塔から出てきてくれなくなってしまったのです。
このままではいつまでたっても冬が明けません。そうなれば、植物は育たず、それを食べる動物たちもやせ細り、じきに食料もそこを尽きてしまいます。
そこで事態を重く見た王様はお触れを出しました。
『冬の女王様を塔の外に連れ出すことができたものには褒美を与える』
お触れを見た国の人たちは、こぞって冬の女王様を塔の外に連れ出そうとしました。何人も何人も、連日のように多くの人が塔まで向かいました。しかしどれだけお願いしても、冬の女王様は塔から出てくれません。
人々はたいそう困りました。このままでは飢え死にしてしまう。人々は思いました。早く冬の女王様に塔から出て行ってほしいと。
これは、いつもよりちょっとだけ長い冬のとあるお話。