あらすじ

……今の声は多分、ここに来る時に通った林のミミズク。今振ったライトの光から逃げたのはネズミ。遅れてゴキブリが二匹。一匹は身を翻し、こっちに向かってきたと思えば通路の端を走っていった。 ところどころ塗装が剥げ落ち、剥き出しのコンクリートの壁。その色濃いひび割れをライトの光で追うと、天井に大きなシミ。ここは雨漏りするようだ。まあ、不思議なことではない。 窓の外は星明りだけ。真っ黒な林が見える。月が出ていない、不気味な夜だ。いや、こんなところに居れば、どんな夜だって不気味に思わずにはいられないだろう。 廃墟となった刑務所。その廊下をなんで、おれが歩いているのか。はははっ、収監されに来たんじゃない。おれは自分の意志でここに来た。

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小説を読もう2024/01/19
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