あらすじ
「もう我慢ならん。 お前との婚約は解消する!」
見目麗しい紫の髪の伯爵令息は、婚約者カローラ・ドンマイを自宅に呼びつけて婚約解消を告げた。
「わかりましたサム様。 今までありがとうございました」
深々と礼をして去っていくカローラは、悲壮感の欠片もなく慎み深い微笑みだけを浮かべていた。
「なんでだよ、カローラ! 簡単に納得するなんて」
婚約解消を言い渡した伯爵令息サム・ロンベサールは、悔しげにその後ろ姿を脱力して眺めた。
その背後では母親のマリンが、うんうんと頷きながら近づき彼の両肩に手を置いた。
「やったー! 婚約解消できた。 マジぎりだった」
カローラは、婚約解消を心から喜んでいた。
どうやらここは、小説の中のようなのだった。