あらすじ

西暦2032年、10歳の少年“未来”は、両親や祖母とともに南房総で暮らしている。すでに地球温暖化が限界点を超えてしまった地球は、気候変動の影響で、毎年、大洪水や大干ばつが頻発し、世界中が深刻な水や食料の不足とエネルギー危機に見舞われていた。そのため、未来と彼の家族も、徹底した節電や節水、食料不足を補うための家庭菜園での野菜作りなど、不自由な生活を強いられていた。  地球温暖化を乗り越えるためには、子どもの個性を「発達個性」として最大限に伸ばす必要があるとした教育改革のおかげで、発達障がいを抱えていた未来でも、得意な理科や数学では、小学生でありながら高校レベルの授業を受けることができた。 発達障がいの未来は、好意を持っている同じクラスの陽葵(ひまり)とはメタバースでしかうまく話ができなかったが、畑仕事をしていた祖母が熱中症で倒れて入院したのをきっかけに、現実世界でも彼女と話をすることができるようになった。 ある日、未来の母は生命科学の専門家として、国連から火星移住のための『ノアの方舟計画』に参加するよう要請を受けた。躊躇する母の背中を押したのは、地球の生態系の再生こそが重要だと考える父だった。父は母に月面基地でのプロジェクトを生命倫理の立場からチェックし、不正を糺すことを期待したのだった。 その1年後、母は月へと向かうロケットの中にいた。

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カクヨム2024/03/08
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